・ほたるの一生
成虫(5月~6月)
羽化して地上にとびたち、オスとメスが光で交信し合い、交尾する。
成虫の野外での寿命は、約7日間。その間、水滴をすする程度で何も食べない。
天敵は、クモなど。
産卵(6月~7月)
水辺に突き出た石についた苔などに、1頭のメスが500~1000個の卵を産む。
卵は直径0.5㎜前後、淡黄色。
約30日で孵化する。
天敵は、ダンゴムシ。
幼虫(7月~翌年4月)
孵化したばかりの幼虫は、1.5~2.0㎜程度。川の中(水中)に入って、カワニナの稚貝(1.5㎜ほど)
を食べる。
幼虫は、成長の過程で、自分の体とほぼ同じくらいの大きさのカワニナを食べる。幼虫の間に約25匹のカワニナを
食べるといわれている。
孵化から約9か月の間、5~6回の脱皮をくりかえして成長する。
もっとも成長した幼虫は、30㎜くらいになり、終齢幼虫という。
天敵はザリガニ
上陸 (3月~4月)
終齢幼虫は、蛹(さなぎ)になるために水から岸に上陸する。
幼虫は、3月~4月上旬の雨の降る夜に青緑色の光を発しながら岸に這い上がる。
何回かの雨の日に分散して上陸する
蛹(さなぎ) (4月~5月)
上陸した幼虫は、気に入った地点の柔らかい土にもぐり、分泌液をだして土まゆをつくる。
そしてやがて蛹(さなぎ)になり、羽化する。
上陸してから羽化するまで、約50日間。
ダニがついたり、土中の菌類に侵されることもある。
《ホタルのえさは、カワニナ》
ゲンジボタル幼虫のエサとして知られる「カワニナ」の仲間は、淡水にすむ細長い殻をもつ巻貝で、日本各地に広く分布するカワニナ科または南日本に分布するトウガタカワニナ科に属します。ふつう「カワニナ」というとカワニナ科のカワニナとチリメンカワニナのどちらかですが、すみ場所の環境で形や色・模様がいろいろで、種を見分けるのがとても難しいため、ここでは断りがない限り区別せずに「カワニナ」と呼びます。この2種以外にも、滋賀県には、西日本に分布するクロダカワニナがわずかに見られ、琵琶湖水系に固有で16種が知られる「ビワカワニナ」の仲間が分布し、守山市には熱帯・亜熱帯にすむトウガタカワニナ科のヌノメカワニナもいます。